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廃屋

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死ぬ程洒落にならない話を集めてみない? Part17

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914 名前:「廃屋1」 投稿日:02/08/26 16:17
私の住む家の近所には
古くボロボロになった二階建ての大きな和風の廃屋があります。
しかもこの廃屋、ボロボロなだけではなく二階のベランダにある大きな窓の雨戸を突き破って太い大きな木が生えてきていました。
小学生だった当時の私は、通学路にあるその廃屋を不気味に思いながら
毎日登校していました。

そんなある日の事、登校中にふとその廃屋を見上げると二階の窓とそこから生えた木の間から白い布がひらひらとなびいています。
「なんだろあれ?」
と不思議には思いましたが登校中だったため確かめる時間も無く
そのまま学校へと向かいました。

学校に着くと私は仲の良かった友人達にその白い布のことを話しました。
そして、その廃屋自体がもともと有名だった事もあってその日のうちにクラス中に広まる事となり、
早速放課後、数人でその白い布を見に行ってみようということになりました。
当然、案内は私です。(正直行きたくは無かったのですが…)

つづく

915 名前:「廃屋2」 投稿日:02/08/26 16:18
放課後一度家に帰った後、私を含む6人のメンバーであの廃屋の前にやってきました。
しかし、あの木の生えた窓から白い布が無くなっていたのです。
当然みんなは私に疑惑の目を向けます。
あせった私は必死になって「本当にあったんだ」と説明しました。
そして、もしかしたら中にあるのかも知れないという話になり、中に入って確認してみることになりました。

塀を乗り越え敷地内に入ると中は雑草が生え放題になっていました。
その草むらの中、どこか屋敷内に入れるところは無いか探し、壁が一部脆くなっている所を見つけそこから進入することに、
さっそく壁を勢い良く蹴り壊れた壁板をはがしてゆくと子供が何とか通れるくらいの穴が開きました。
外から見える穴の中は真っ暗なのですが、我々の開けた穴から入る光に照らされてなんだかもやの様なものが見えます。
友人の一人が手を入れるともやが手に絡みついてきました。
「うえ~、蜘蛛の巣だらけだよこれ」
どうやら、ずっと人の入ることの無かった屋敷の中はびっしりと蜘蛛の巣が張り巡らされていたようです。
蜘蛛嫌いの私はこの時、もう帰りたい気持ちでいっぱいでした。

つづく

916 名前:「廃屋3」 投稿日:02/08/26 16:19
しかし、ここで帰ってしまうと明日学校で臆病者呼ばわりされるのは目に見えています。
仕方なく私は友人たちについて廃屋の中へ入って行きました。
広い屋敷の中、蜘蛛の巣で視界も悪く明かりはペンライトの頼りない明かりのみでしたが、
幸い階段の近くだったおかげで比較的苦も無く2階へとたどり着くことが出来ました。
そしてひんやりとした空気の中例の木の生えた窓のある部屋の前へとやってきたのですが、
全員ビビっていて誰も戸を開けようとしません。
しかしここまで来て行き下がるわけにも行きませんので、
「いっせーのっでっ!」
という掛け声とともに全員で引き戸を開けました。
けれど、特に何かあるわけでもなくそれどころかさっきまでの大量の蜘蛛の巣もほとんど在りません。
正直、拍子抜けです。
そして我々は部屋の中に入っていきました。
部屋の中は床を大きな木が突き破って生えており、そのままさらに窓を突き破って伸びていました。
木の周りのわずかな枝の周りには蜘蛛の巣がまるで白い布のように真っ白になるまで密集して張られた所が何箇所かありました。
「もしかしてコレが外に飛び出してたんじゃない?」
「あ、そうかも…」
「な~んだ、面白くねぇ」

つづく

917 名前:「廃屋4」 投稿日:02/08/26 16:20
我々はすっかり場が白けてしまい、あきれ返っていました。
「つまんねぇ、このうち壊しちゃおっか?」
そういって友人の一人が例の木の生えた窓を蹴りました。
すると、痛んでいたのかあっさりと雨戸がはずれぽっかりと大きく開けてしまいました。

その時です。

突如屋敷の中がざわめきだしたのです。
あたり一面から何かが動く『ザワザワザワザワ…』という音が聞こえてきます。
それだけでも私たちはかなりビビったのですが、
さらにしたから『ドドドドドド…』とものすごい音で何かが走る音が聞こえてきます。
しかも、その音は階段へと向かい2階へと上ろうとしてきます。
もうこの時点で涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしていた我々は大慌てで窓から飛び降り、
我先にと塀を乗り越えて逃げました。

その後、友人の一人が足を骨折していたためこの事が親にバレていしまい、
学校と家の両方でかなりこっぴどく怒られました。

918 名前:「廃屋その後」 投稿日:02/08/26 16:22
結局、この事がキッカケであの廃屋は危険だという事になり、翌年取り壊される事になりました。
私は中1になっていましたが未だにこの廃屋に恐怖を覚えていたため、
父親から「この取り壊しの様子を見て、克服して来い!」といわれ、しぶしぶその様子を見に来ました。
すっかり瓦を取り外された廃屋は、埃防止用の放水ですっかり濡れてちょっと情けないくらいです。
そして、削岩機のような物の付いた大きなショベルカーで破壊されてゆきました。

しかし、私は恐怖を克服するどころかこの事が未だにトラウマになっています。
さらに嫌いなだけだった蜘蛛に恐怖を覚えるようになりました。

それは、壊された廃屋の中から『ザワザワ』と何百、何千という蜘蛛が駆け出してきたからです。
大きいものから小さいものまでわらわらと……。

あんなものはもう、2度と見たくないものです…。


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