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【洒落怖】非情の頂

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237 :名無しさん@涙目です。(明治神宮):2012/01/02(月) 07:36:19.57 ID:VTDC1L3m0
昔のアウトドア板にあったこの話が怖い

「何だろう?」
トール・キーザーが思わず声に出し、テントの中で体を起こした。
「あれは何だったんだ?」
キーザーを含む1992年アメリカ=ロシア隊が、
K2の登頂を目指してBC(ベースキャンプ)に到着したのはわずか数日前のことだった。
まだ夜中で辺りは暗く、BCの空気はいつになく静かで、
キャンプ地の外れの岩場を滴り落ちるせせらぎの様な音が聞こえるくらいだった。
だが、キーザーの聞いた音は何か違っていた、全く違っていた。
人の声だった。無線機で呼びかける声だった。
『キャンプ4からベースキャンプ、聞こえますか、どうぞ?』
何だ一体、また聞こえたぞ。
アドレナリンが駆け巡って、キーザーはテントから飛び出した。靴下だけの足に石が冷たかった。
辺りを見ると、同じ隊のスコット・フィッシャーもテントから出て、立ち上がって辺りを見回していた。
二人は目を見交わした。二人とも何を耳にしたのか理解していた。

239 :名無しさん@涙目です。(明治神宮):2012/01/02(月) 07:37:21.35 ID:VTDC1L3m0
「ありゃ、一体何だったんだ?山の上にはまだ誰もいない、そうだよな?」
「いる訳がない、一人も」
フィッシャーが囁くような声で返した。
それっきりもう二度と聞こえなかった。
だが、その声は一生、キーザーの頭に残ることになる。
『キャンプ4からベースキャンプ、聞こえますか、どうぞ?』
女性の声だった。イギリス人の声だった。
キーザーは、その声を今でも耳に甦らせることができる。

Jennifer Jordan著「K2 Savage Summit」第6章「黒い夏」の終焉より

『黒い夏』1986年夏にK2で起きた大量遭難事件。
この年27人のクライマーがK2に登頂したが、13人が遭難死した。
8月4日以降に7人のクライマーが第4キャンプで嵐が原因となって停滞を余儀なくされ、
生きてBCへ降りられたのは2名だけだった。
その遭難者の中に第4キャンプで死亡したイギリス人女性が一人だけいた

264 :名無しさん@涙目です。(住吉大社):2012/01/02(月) 11:02:28.23 ID:pFBEtAZQ0
>>239
「K2 非情の頂」だな。
K2サミッターの女性達の人生を綴ったドキュメント本。
当時居た女性のK2サミッター(5人)の全員がK2下山中か、別の山で遭難死している事から著者が取材を始めたらしい。
そのイギリス隊の女性も取り上げられてる。
オカルト本ではないので山岳本好きな人にはオススメ。

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