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【洒落怖】言い伝えの場所で

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920 本当にあった怖い名無し New! 2010/04/12(月) 13:33:35 ID:G4pdkU+jO
自分は北海道の道北地区に住んでいる。
昔から言い伝えられている話しを一つ。

道北地区にある寺のすぐ近くの切り立った崖の上には、巨大な岩がある。

昔、身篭った妊婦がいた。夫は漁師をしており、近海で取れた魚貝で生計を立て、貧しいながらも幸せな暮らしをしていたそうだ。

ある晴れた日の事だった。いつもの様に漁に出た夫。妻は家で帰りを待つ。しかし、待てども待てども夫は帰らない。
痺れを切らした妻は、夫の仲間の元へ足を運んだ。
しかし、仲間内でも、帰らない事を疑問に思っていたらしい。
天気も良く、波も穏やかなのに。
もしかしたら、事故に遭ったのかもしれない。
仲間の数人が、夫を探す為、船を出した。
数時間経つも、仲間も、船も帰らない。
妻は、近くの寺で仏に祈りを捧げていた。

やがて船が帰ってくる。
夫はいなかった。
男が言う。
「嵐がくる。今日はもう駄目だ。」
そう言うやいなや、雨が降る。
妻は、喚きながら夫を呼ぶ。寺から出ようとした。
男達の制止を払いながら、山の上に駆けて行った。
雨は強くなり、風が吹き荒れ、雷鳴が轟く。
妻は山の上から、高い位置から夫の船を探すつもりだった。
山の、いや、崖の上にある巨大な岩の上に立ち、辺りを見回す。

921 本当にあった怖い名無し New! 2010/04/12(月) 13:57:03 ID:G4pdkU+jO
続き

雨と風で立っているのがやっとだ。おまけに身篭った妊婦の体力は、もはや限界にきていた。夫を呼ぶも、風に掻き消される。
嗚呼…。愛する人よ。

妊婦の身を心配した男達は付近を探した。
しかし、妊婦はいない。
崖の上にいたはずの妊婦がいなかった。
家にも帰ってない。嵐の過ぎた翌朝の事だった。
崖の下に、烏が集まる。
ぐちゃぐちゃに割れた肉塊の中から見える、小さな肉塊が烏に啄まれているのを、男が見つけた。
それ依頼、嵐の晩に岩の上で泣き叫ぶ女の霊が出るという。

922 本当にあった怖い名無し New! 2010/04/12(月) 14:14:43 ID:G4pdkU+jO
という訳で行ってきた。
この町は、雨は多いが、嵐はめったにこない。
八月の晩、珍しく強い雨が降った。これを好機と思い、車を出した。
家からその場所までは車で20分ぐらい。
雨も風も強い。
雷が鳴り始めた。絶好の条件だ。
間もなく場所に着く。
今は道がなく、登る事は出来ない。
車の中から、崖の上の岩を見上げる。

数時間たつも、なんの変化もない。馬鹿馬鹿しくなり、帰ろうと思ったその時だった。
雷の光りに照らされ、何かが見えた。
見間違いか?
車から出て、出来るだけ近くに行く。

いる。何かが間違いなくいる。

岩には草木はない。見間違う筈がない。雨に濡れながら、見続けた。

ゆらゆらと、何かが揺れている。
今までにない興奮と恐怖が身を巡る。
ゆらゆらと、くねくねとそれは揺れている。

違う。女なんかじゃない。女でも男でもない。あれは人間じゃない。
そう感じた瞬間だった。
目が合った。

奴の姿はあやふやで、顔なんか見えないのに、間違いなく目が合った。
その瞬間、恐怖が体を支配し、すぐに車に戻り家へ急いだ。

その日は濡れた体も拭かず布団に潜った。

923 本当にあった怖い名無し New! 2010/04/12(月) 14:16:50 ID:G4pdkU+jO
翌朝、天気も良く、暖かいのに、昨夜の恐怖が抜けない。
誰かに見られてる。
怖い。怖い。

やむを得ず、その崖の近くの寺の住職に相談した。
「見たのか?」
「…はい。」
「馬鹿もの!」
住職は顔を真っ赤にして声を張り上げた。すぐさま、誰かに電話をかけた。
「お前は憑かれた。今から祓うから、これに着替えろ。」
と白い装束を渡され、言うままに着替えた。
軽くパニックに陥ってた。
住職は何か準備をしてる。自分は狭い部屋に入れられた。
「待ってろ」

しばらくしてから、住職と二人の坊さんが来た。
自分を中心に三角形を描くように座った。
「お前は目を閉じてろ、何があっても目は開けるな」
目を閉じた上から目隠しのようなものを巻かれた。
すぐにお経が聞こえた。
気を失ったのか、寝たのか、そこからの記憶がない。

気付くと、目隠しは取れていて、住職が言った。
「もう大丈夫だ。二度と馬鹿な真似はするな。帰れ。」

自分は何故か泣いていた。

以上です。文才なくてすいません。質問あれば答えれる範囲で受け付けます。

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