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【洒落怖】「明かりはつけなくていいよ、そのうち目がなれるから。それよりこっちに来てくれないか」

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過去の人気記事

775 名前:4/1 投稿日:03/10/13 20:44
空はすじ状の雲に真っ赤な夕焼け。輪郭がやっとつかめるくらいの薄暗い教室で、
kは一人で窓の外を眺めていた。kは僕の一番の親友である。

僕が教室に入るなり、
「明かりはつけなくていいよ」 kは言った。
「え?暗くないの?」
「大丈夫、そのうち目がなれるから。それよりこっちに来てくれないか」

女子の着替えでも見えるのかな?と僕は思った。
なぜなら、我がバトミントン部
の夏合宿は毎年男女合同で行い、合宿最終日の今日の練習を終えて、部員たちは
帰宅する前のシャワーを浴びているころだったからだ。

暗闇に慣れてきた興味津々の僕の目に映ったのは、とても不安そうな顔をしている
Kだった。どうやら女子の着替えが見えるわけではないらしい。

776 名前:4/2 投稿日:03/10/13 20:53
それにKの視線は向かいの校舎の窓ではなく、その手前にある中庭だった。

「何を見てる・・」「静かに」 Kは僕の声をさえぎった。

kの指差す先、中庭の(少し荒れた)花壇の地面から20センチほどのところが
ぼうっと白く見える。

(あれは何だ??)

夕日は完全には沈んでいない。でも、その一部分に夕日が差し込んでいるわけ
ではない、その花壇は完全に校舎の影にはいっているのだから。

それは間違いなく、人間の足の輪郭だった。花壇の花の上で、人間の足、正確には
つま先からひざあたりががうすぼんやりと浮かび上がり、そこから先はすぅっと消え
ている。向きからすると、まっすぐにこちらを向いているようだ。
と、それは突然消え、その後薄暗い闇の中「カラカラ」と何かが転がっていく
ような音が微かにした。

僕は一瞬驚いたが、そのあと、ぞっとするような不安が湧き上がり、声もでなかった。
そして、kの体は小刻みに震えていた。

777 名前:4/3 投稿日:03/10/13 20:55
「音、聞いた?」kが言った。
「ああ、カラカラって・・でもあれ、なんだ??」
「そうか。聞いたか・・」
なぜかkはほっとしているようだった。

「あれな、・・おまえのところに行くと思う・・」
「え?」僕はkが何を言っているのか理解できなかった。

.

「ごめん・・お前は俺の親友だから・・。でも大丈夫、安心しろ。ただし俺の
言うことを良く聞くんだぞ。さっきは足だったろ?」
確かに足の輪郭が浮かび上がっていた。正確にはひざまでだが。
「あ、ああ、足だった・・」僕は不安げに答えた。

「次は腰までだ」

え!?なんだよおい!次があるのか?それにターゲットは僕なのか!?
なんで僕なんだ、と問いただそうとしたが、kの真剣な、ただならぬ表情を見
てその言葉を飲みこんでしまった。
kは続けた。

781 名前:4/4 投稿日:03/10/13 21:09
「腰の次は肩だ。その次はあごまで現れる。いいか、その都度必ずあの「音」を聞くんだ、
あの「カラカラ」という音を必ず聞け。聞くまではその場を離れては絶対にだめ
だぞ。それから、このことは人には話さないほうがいい。友達を巻き込みたくな
かったらな。」

「わかったよ。でも、もし音を聞き逃したら?その時はどうなるの?」
「その時は・・顔だ・・顔まで現れる・・そうなれば・・」

・・・・・・・・・・・・

これはこの夏の出来事です。
その後、kが言ったとおり彼女は現れました(少し小柄な感じのワンピースを着た女の子だと
分かりました)。
今日までに肩まで見ています。

見た場所は、「腰」の時が体育館の用具入れの倉庫。「肩」の時が最初の中庭の、ほぼ同
じ場所です。時間はいずれも夕方でまだ日が沈みきっていない、でもかなり薄暗くなってい
る時でした。
それを見た瞬間は息もつけないくらい怖かったですが、kの忠告どおり「音」を聞くまで立ち
去りませんでした。(それをkに言ったら「よし」と誉めてくれましたが)

なんとなく分かってきましたが、普段は人がいてにぎやかなんだけど、ふっと人の気配が
無くなる、そんなタイミングがあるんです。そういう時なんです。彼女を見るのは。
なんで「音」を聞くまで立ち去ってはいけないのか、顔が現れ、それを見たらどうなるのか
kは教えてくれませんが、「事が終わったら」全部話す、と約束してくれました。

どういうことなのかkに聞いたらまたこちらに書こうと思います。でも不思議なのです。
最初はとても恐ろしくておびえていたのですが、最近彼女の顔が気になって眠れないのです。
次にあごまで現れた時、もし「音」を聞かなければ、僕は彼女の顔をみることが出来る。
そう考えると妙に胸が高鳴るのです。

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