シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【洒落怖】カセットの裏と説明書に『アキオ』って書いてある

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0
過去の人気記事

俺が今でもRPGやんないのは理由があんだよ。
小学校2年の時。その頃はみんな知ってる通り、ファミコン全盛期。
当時うちでは金銭的な理由ではなく、親の教育方針みたいなもんで、ファミコンのソフトはなかなか買ってもらえないものだったんだ。
誕生日とクリスマス、そしてばあちゃんが年に1回くらい買ってくれるくらい。

ちょうどとある大作RPGの三作目が発売されて、1ヶ月くらいたった頃だったと思うんだけど。
親父と近所を散歩してたら、近所のスーパーの前で中古ソフトの路上販売をやってたんだ。
やっぱり目についたのは例のRPGソフト。
俺がどんな目をしてソレを見つめていたかは、今でも想像に難くない。まさに食い入るように見てたんだろうね。
すると親父が言った。「欲しいのあるのか?たまには買ってやるよ」と。
もう言葉にならないくらいうれしかったのを今でも覚えている。
まぁ、後から考えると、親父が急に買ってくれた時点で、すでに何かがおかしかったのかもしれないんだけど。

家に帰ってさっそくやりたかったんだけど、我が家には厳しい掟が。ファミコンは毎週日曜日2時間まで。
くぅ、今日はまだ水曜の夕方……!やれねぇ。
しょうがない、俺は部屋で穴があくほどカセットと説明書を眺めてたよ。で、気づいた。
カセットの裏と説明書の最後のページに、『アキオ』って書いてあるのに。
まぁ、当時名前が書いてあるのはそんなに不思議な事でもなかったから、その時はそれほど気にもしなかったんだけど。なにぶん中古ソフトだし。

翌日学校から帰ってきたんだ。うちのおかんは専業主婦だから、家にいないって事はめったにない。
なのに、その日帰ると誰もいなかった。
玄関には置手紙。
『タク(弟)とおばあちゃんのとこ(近所)にいってますね。5時には戻ります』
変な偶然が重なるもんである。が、その時はそんな風には考えない。
俺の頭は一気にゲームモードに突入。
千歳一隅のチャンス!時間はまだ2時過ぎ!今からだと3時間近くプレイできるじゃないか!

さっそくファミコンを準備、部屋にソフトを取りに行く。
昨日の夜に机の中に入れてたつもりだったが、『ソレ』は早くプレイしろといわんばかりに机の上に出ていた。
が、深く考えない。さっそくスイッチON。
真っ黒な画面。
俺はこのゲームのオープニングをまだどこでも見たことがなかったから違和感はナシ。そういうもんだと受け止めたよ。

しばらく待つ。

……更に待つ。

何もつかない……。

まじかよ!まさか壊れてんのか?

カセットを外し、息を吹き込む。そして慎重に本体に挿入、再び電源を……。
おもむろに音が出た。だけど、これってBGMか……?
何か、木琴だか鉄琴だかみたいな音が、同じテンポで流れるだけ。
まぁ、それでも、ゲームモードに入った俺は怪しまないんだけど。
タイトルも表示されないまま、いきなりセーブデータが表示される。
予想通り、主人公『アキオ』のデータだ。

さっそくデータを消して、新たに俺のデータを作ろうとした。
ただ、その時俺は気づいた。
セーブデータ作成を促す文章が、なんかおかしいんだ。
『ぼくとあそんでくれるのはだれ?』
なんだか変だぞ……。その時初めておかしいと思い始めた。
奇妙なBGMは延々と続いている。
怪しみながらもひとまず名前を入れる。『シンイチ(仮名)』と。
その瞬間、『あははははははははははははは!シンイチ君!あははははははは……!』
静かな家の中。大音響のけたたましい子供の笑い声がテレビから溢れた。
あまりの事に俺は頭が真っ白になり、気が遠のいた。
でもはっきり見たよ。
薄れる意識の中、黒い画面に同い年くらいの少年の顔が映っているのを……。満面の笑顔で。

夕方。俺はおかんに起こされて気が付いた。
ファミコンが出しっぱなしだったため、隠れてやろうとしてた事がバレてカンカンだった。
怒られながら横目で見たテレビ画面には、もう何も映ってはいなかった。
もうこんなソフトは近くに置いときたくなかった。一刻も早く捨てたかった。
だけど、せっかく親父が買ってくれたんだ……。捨てるのも何か親父に悪い気がしてできなかった。
結局そのソフトは、俺の部屋の押し入れ奥深くの俺の道具入れにしまうことにした。

翌日。学校から戻ったらまたおかんがいなかった。
でも、玄関に置手紙はナシ。ということは、タクが家に残ってるってことだ。
ランドセルを置いてリビングに行った。
タクがテレビの方を向いて座ってる。その前にはファミコンが。
そして隠したはずのあのソフトが。

次の瞬間、テレビのモニタが目に入った。
『アキオ』がこっちを見て大声で笑った。
こっちを振り向いたタクも、アキオと同じ顔で笑ってた。
二つの笑顔と声がが頭で渦巻き、また俺の気は遠のいていった。

ごめん、話としては一応終わりだよ。

まぁ、つづきってほどじゃないんだけど。
夕方、結局2日連続でおかんに起こされて、めちゃめちゃ怒られたよ。
タクも寝てた(気を失ってた?)らしくて、二人して怒られた。
しかもタク何にも覚えてないし、すげーやっかい。
俺が「アキオが……!」とか言っても全然信じてくれないし。(あたりまえだけど)

ちなみにそのソフトは、翌週ビビえる俺の前で親父がつけてみたけど何にもつかなくて、『故障』の烙印押されて捨てられた……。
で、新しいのを買ってやるって言ってたけど、丁重に断ったよ。

今でもBGMがリアルに思い出せて、すごい気持ち悪い。
けど、年を重ねるにつれて、それが現実だったのかどうか、自分でもよくわかんなくなってくるんだよなぁ。
まぁ、夢だったんならそれでもいんだけど。
以上でした。駄文でスマソ。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク