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【後味の悪い話】 星新一「かぼちゃの馬車」

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178: 1/2@\(^o^)/ 2015/02/03(火) 03:21:02.40 ID:PfiGEmhkO.net
星新一「かぼちゃの馬車」

田舎出のブスOL。
どうせあたしなんか、とムスッした態度で、それでも都会にしがみついていた。

電話も引いていない安アパートに一人暮らしで、休日にはテレビを見るばかり。
電話を引いていないのは、かける先もかけてくれるあてもないから。郵便物はDMばかり。

『あなたはお美しいかたでしょうが、ある一定期間だけ、さらに美しくなってみたいとお思いになりませんか。ご満足いただけなかった場合、代金はお返しします』
このDMを受け取った女は長いこと悩み、ついにその「美的変化サービス」に出かけた。

整形でもエステでもない。
注射だけで、一定期間変化が表れるそうだ。
「あなたは今、ご自分の醜さに耐えられないとお思いですか」
「…いいえ、そういえばそんな気はしませんわ」
「ご不満なら代金はお返しします、どうか一晩お考えください」

179: 2/2@\(^o^)/ 2015/02/03(火) 03:22:30.23 ID:PfiGEmhkO.net
エレベーターで乗り合わせた、育ちの良さそうな青年が女をちらちら見ていた。
「…ごめんなさい、つい見とれてしまいました。もっと一緒にいたいけど、それじゃあんまりあつかましい。いつかまたお会いできたら…」
青年は名残惜しそうに歩き去った。

注射には、これまでの人生観を忘れさせる作用があった。
青年は「美的変化サービス」のサクラで、いわば雑草を刈り取った空き地に花を植えるのが仕事だった。自己暗示。

女は美しい女のように自信たっぷりに歩き、それがよかったのか背筋がのび、あるべき所にやわらかい曲線を残したまま痩せた。
顔色は冴え、表情も声もやわらかく澄んだものになった。自己暗示。
女は美しくなり、受付嬢に抜擢された。

ひとつ気がかりな事があった。DMには「ある一定期間」とあったし、美的変化サービスの医者は注射の効果は一時的なものだと言っていた。
あたしは本当に美しいのかしら、みんなからかっているのではないかしら。と疑心暗鬼になる。
イケメンから飲みに誘われても断り、美人なのに自意識過剰じゃないのは珍しい、変わった女だと言われればどうせあたしなんかとむくれる。
アパートで鏡を覗きこみ、あたしは本当に美しいのかしらと涙を流す。
…女の目は少し濁り、まぶたは少し腫れぼったくなった。

180: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2015/02/03(火) 03:43:22.74 ID:VdfGsg1J0.net
>>179
こういう話大好き

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