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【後味の悪い話】図画工作は得意なんだけど勉強は苦手なMちゃん。私は憧れや尊敬に近い感情すら抱いていました

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199: 1/3:2007/08/04(土) 21:15:34 ID:Bl2IG5k90
空気を読まず投下!

小学一年生の頃、クラスにMちゃんという子がいた。
ちょっと癖のある子で、絵を描いたり物を作ったり(図画工作ですな)は
得意なんだけど、
勉強の方はイマイチ。
テストを返却されたらすぐにくしゃくしゃに丸めてランドセルの中につっこむし、
お調子者の男子に点数のことでからかわれて烈火の如く怒ったりしてた。

でも私は彼女に一目置いていた。
いやむしろ憧れや尊敬に近い感情すら抱いていました。
ファンって言うのかな。
描く絵のほとんどがコンクールで入選してたし、
彼女の作る粘土工作は妙に人の心を掴むものばかりだった。

だけどある時彼女の悪い噂が立ち始めた。
盗癖があるという。
彼女に、削り器で丁寧に先を尖らせた鉛筆を貸すと、返ってこないらしい。
実にちっぽけな被害で犯人もわかりきってるんだけど、
荒唐無稽な分その噂が彼女に対する誹謗中傷のように感じられて
私はかたくなにそれを信じなかった。

200: 2/3:2007/08/04(土) 21:16:12 ID:Bl2IG5k90
そしてある日の図画工作の時間、
Mちゃんが私に鉛筆を貸してくれと言ってきた。
一瞬噂が頭を過ぎったけど、
全く悪気のなさそうな彼女の態度や一方的な憧憬も相俟って、
快く先の尖った長い鉛筆を貸した。

班の子達が「あーあ」という目で観てきたけど、
今は図画工作の時間。
彼女の創作に私の鉛筆が使われるのが誇らしかったし、
わざわざ離れた私の席まで借りに来てくれたことが嬉しかった。

授業終了の予鈴が鳴り、
後片付けをしている時に、私は彼女に鉛筆を返しに貰いに行った。
大概私もどこか抜けた子供で、
彼女が返してくれるまで待っていればいいものの、
筆箱の中の一本だけ空いたところがどうにも気になったのだ。

「Mちゃん、さっきの鉛筆返して」
そういうとMちゃんは一瞬俯き、耳まで真っ赤にして、
黙って私に鉛筆を差し出した。
使われた形跡の無い先の尖った鉛筆。
それは彼女のキュロットズボンの裾から出てきた。

201: 3/3:2007/08/04(土) 21:16:56 ID:Bl2IG5k90
ああ、盗る気だったんだな。

雷に打たれたみたいに一瞬にしてそれを悟って、
偶像が一気に崩れた。
「Mちゃんさぁ、○○ちゃん(私)が鉛筆貸してくれなかったってさぁ、
怒りながら帰って来たんだよ。全部うそっこだったんだねぇ」
Mちゃんの班の子にそう聞かされても、
「ふぅん」としか答えられなかった。

勉強は出来ないけど、自分にはない才能を持った天才。
そうとしか思ってなかったMちゃんにも、
人を欺いたり演技したりする知恵はあったんだなぁと思う反面、
憧憬の裏で彼女にそんな知恵なんてないと無意識のうちに見下していた
己の一面を知った。

そんな自分が一番後味悪い。


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