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【後味の悪い話】宮沢賢治「猫の事務所」

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127: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2015/11/27(金) 20:20:28.74 ID:MuD9cb9cO.net
宮沢賢治の短編童話『猫の事務所』
救いはあるんだけど、あまりにあっさり終わりすぎてもやもやする。後味というか胸くそ悪い話かも。
漫画版準拠なので原文の描写と違った部分はあるけど大体同じ。

軽便鉄道の停車場近くにある、猫の第六事務所。猫の歴史と地理を調べる、国土交通省と観光庁を合わせたようなお役所という設定。
事務所の事務長の下につく書記という役職はいわゆるエリート公務員扱い。とても倍率が高いのだが所属出来るのは、字がうまく詩の読める者が4人(匹ではなく人)だけ。
そんな狭き門を潜り抜けて四番書記の座についたのがかま猫。
かま猫は生まれつき毛皮が薄いせいで寒さに弱く、いつも火の消えた暖かいかまどの中で寝る癖があるのでそう呼ばれている。いつも身体が煤けて汚れており、鼻と耳が真っ黒になった姿は狸のようで他の猫から馬鹿にされていた。
しかし四人の書記の中で最も仕事が出来るのはこのかま猫。事務長からも目を掛けられていた。他の書記らはそれを良く思っておらず、特に四番書記の役職をやりたがっている三番書記の三毛猫からは睨まれるように。
周囲の目を察したかま猫は少しでも印象を良くしようと、色んな面で気を利かせて立ち回るが逆にいちゃもんを付けられる。
例えば三毛猫が誤って床に落とした弁当箱を拾って差し出せば「お前は床に落ちた弁当を僕に食えと言うのか!?」という具合。
あまりに頭の悪い言いがかりなので、その都度見かねた事務長がフォローする事で大事には発展しなかった。
せめて身体が煤けないようにと外で眠ろうとしても寒さに耐えられない。
「やっぱり僕が悪いんだ…仕方ないなぁ。でも事務長さんはあんなに親切にしてくださる。それにかま猫仲間のみんなは、僕が事務所に居ることを誇りにして喜んでくれている。」
かま猫は暗いかまどの中で泣きながらも、どんなに辛くとも辞めずに堪えようと毎日自分に言い聞かせる。

128: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2015/11/27(金) 20:23:23.44 ID:MuD9cb9cO.net
しかしある日、かま猫は風邪を引いてしまう。節々が腫れてとても歩けず、事務所に行けぬまま痛みに悶えていた。
一方事務所では、三人の書記がここぞとばかりに悪意に満ちたでたらめな噂を流す。
「今度はおれが事務長になるとか言ってるそうだ。馬鹿なやつらが怖がってきくのをいいことに、かま猫はあちこちに呼ばれてはばをきかせているらしいぞ(要約)」
真面目なかま猫の欠勤を不思議がっていた事務長もその話を聞いて激昂する。

.

翌日ようやく回復したかま猫が出勤すると、四番書記担当の原簿は三つに分けられて一番書記から三番書記までの机に置かれていた。
「ああ、きっと昨日は忙しかったんだろう」
そう思っている間に他の書記らが出勤する。一人一人丁寧に挨拶をするが、みんなかま猫など目の前に居ないかのように振る舞う。
程なくやってきた事務長にも挨拶をする。しかし事務長からも無視されるかま猫。
やがて仕事が始まるも、かま猫の机には何もない。かま猫のものだった原簿を三人がそれぞれ読み上げている。事務長は何も言わなかった。
悲しくてたまらないかま猫をよそに、仕事は滞りなく進んでいく。時折ちらっと見られるが誰も声をかけようとはしない。
昼になり、各々は弁当を食べながら楽しげに談笑しだす。かま猫は弁当も出さずに俯いていたが、とうとうはしくしく泣き出した。
そして午後の仕事中もかま猫はずっと、泣いたりやめたり、また泣き出したり。それでも皆はそんな事なにも知らないとばかりに、面白そうに仕事に励んでいた。
そこへ現れた金色の大獅子。しばらく窓から様子を見ていたが、戸口を叩いて事務長に入ってきた。
突然の出来事に事務長と三人の書記は驚きうろたえるが、かま猫だけは泣くのを止めて真っ直ぐ立ち、獅子に向き合った。
獅子は大きな声で言う。
「お前たちは何をしているか!そんな事で地理も歴史も要った話でない、やめてしまえ!解散を命ずる!」
こうして、猫の事務所は廃止されてしまったとさ。

作中の語り部曰わく、これは半年前の出来事。語り部は最後にこう締めくくる。
「ぼくは獅子に半分同感です。」

135: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2015/11/27(金) 23:51:13.18 ID:G8f+Rvg80.net
>>128
獅子は上司?突然登場した?
語り部の《半分》同感はなぜなんだろう

138: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2015/11/28(土) 00:03:16.35 ID:P5QRUYSH0.net
>>135
書き込みした方ではないけど
絵本を持っているので

獅子は突然登場した
上司云々とは書かれていなかったけど
解散を命ずるくらいだから上の役職なのかなと思った
同感は宮沢賢治の声ではないかと

あまりにかま猫が可哀想で
灰色の猫の名前をかま猫にして可愛がってあげた

141: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2015/11/28(土) 01:40:29.17 ID:oo9ufzGHO.net
>>135
獅子の登場は本当に唐突。だから明確な位置付けはないけど、キャラとして見るなら百獣の王かつ猫科=猫事務所を取り纏めるトップなのかな。でも象徴的なものって印象が強い。
ある考察サイトで読んだんだけど、
まず宮沢賢治の作品には仏教の思想が根底にあると見える。
生活や容姿で差別を受けるかま猫は社会を業を背負った存在。
獅子はこうした負の社会の否定する存在。その立ち回りは一見格好良く胸がすく感じもする。
しかし実はかま猫の苦しみは変わらない。何故なら獅子には社会を断罪出来ても、かま猫の業を転換する力はないからだ。
かま猫を取り巻く差別など本質的な環境は変わらない。今いる場所が嫌だとしても、猫以外の社会で暮らす事は難しい。
猫の事務所がどうなろうと、かま猫は業を背負って生きていかなければならない。

要約しても正直よくわからんが、事務所潰した所でかま猫の被差別要素は変わらないだろうし、この先同じ事が起きたら立ち向かえるか疑問。
獅子の強権ではなく、かま猫自身が周囲の陰湿ないじめに立ち向かう…というのが本来の正しい解決方法だと言いたいのかもしれない。
そう考えると、一概に獅子を支持する事は出来ないって事かな?
考えたらますます後味悪いな

単純に一方的な悪意あるいじめを「喧嘩両成敗!」と強引に片付けた感じなのももやっとする原因かも。

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